折り鶴で社会貢献活動

平成25年6月に刑法の一部が改正される決議がありました。

刑の一部の執行猶予と,保護観察中の人に対する特別遵守事項に社会活動を盛り込んだ刑の一部の執行猶予とのが主な柱です。

今日は,特別遵守事項について触れてみたいと思います。

「特別遵守事項」とは,更生保護法に定められており,簡単に言うと,保護観察所長等が保護観察に付された人等に対し,特別に守るべき約束を設定することです。

この特別遵守事項に「地域社会の利益の増進に寄与する社会的活動を一定の時間行うこと」を加えたのです。

なお,この規定は,平成27年6月までに施行されます。

社会貢献活動の具体的内容は,法律で定まっておらず,各地方保護観察所等で決めることができます。

主なものは,公共の場所での清掃や募金活動,福祉施設での介護補助等が挙げられます。

長崎地方保護観察所や長崎更生保護女性会では,施行前ですが,この社会貢献活動の一つとして,原爆投下という経験から,世界に現存するとされる核弾頭の数に合わせて,1万7300羽の折り鶴の作成を行っています。

これらの折り鶴で精霊船を彩る構想もあるそうです。

とっても長崎らしい社会貢献活動ですね。

 

労働時間管理の重要性

労働基準法では,労働時間は1週40時間,1日8時間を超えてはならないと定められています。

休日は,毎週少なくとも1日与えなければなりませんが,4週を通じ4日以上の休日を与える場合は,1週1日の休日がなくとも問題ありません。

労働者に対し,上記労働時間を超えて時間外労働をさせる場合,あるいは,休日労働をさせる場合は,労使協定を締結し,その協定を労働基準監督署長に届け出る必要があります。

なお,休憩は,労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分,8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を与えなければなりません。

深夜労働とは,午後10時から午前5時までの間に労働させた場合に該当します。これは,法定労働時間を超えたかどうかとは関係なく,一定の時間帯における労働時間に対して割増賃金を支払わなければならないものです。

 

 

 

労働時間管理の重要性

サービス残業が日常化しており,これまで従業員から残業代の請求をされたことのない経営者は,従業員の労働時間の管理を怠っていることがあります。

これは経営者が悪質である場合に限らず,逆に社長が従業員に対して面倒見がよく,アットホームな雰囲気の会社などでもよく見られることです。

あれだけ面倒をみてあげた従業員が,まさか会社を訴えるようなことはしないだろうと思っていても,会社を退職した元従業員から何百万円という残業代の請求を受けてしまうということは珍しいことではありません。

時間外労働・休日労働・深夜労働(午後10時から午前5時)に対する割増賃金は,次の通りです。

通常労働時間の賃金に加えて,次の割増賃金を支払う必要が生じます。

時間外労働:通常の労働時間または労働日の賃金の計算額の25%以上

1か月60時間を超える時間外労働:同じく50%以上

休日労働:同じく35%以上

深夜労働:同じく25%以上

賃金請求権の消滅時効は支払期から2年ですので,最長で2年分請求される可能性があります。

残業代の請求は,金銭的な打撃のみではなく,経営者が従業員を信じられなくなるというような心理的な打撃も受けることも多いようです。そのような事態に陥る前に,労働時間をしっかり管理する必要があります。

次回は,法定労働時間についてご説明したいと思います。

 

 

 

セクハラ対策していますか?

職場でセクハラについて,必要な対策を講じていますか?

セクハラは,起こってしまうと被害者に大きなダメージを与え,職場環境の悪化から,他の従業員の職務遂行にも悪影響を及ぼします。また,加害者の多くが上司であることから,なかなか被害申告ができず被害が拡大しやすい傾向にあります。

そのため,事業主の皆様は,予防に力を入れることが何より大事です。

厚生労働省は,男女雇用機会均等法に基づき「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針」において,以下の9項目を事業主に求めていますが,ご存じですか?

ア 職場におけるセクハラの内容,セクハラがあってはならない旨の方針を明確化し,管理・監督者を含む労働者に周知・啓      発すること
イ セクハラの行為者については,厳正に対処する旨の方針・対処の内容を就業規則等の文書に規定し,管理・監督者を含む労働者に周知・啓発すること
ウ 相談(苦情を含む)窓口をあらかじめ定めること
エ 相談窓口担当者が,内容や状況に応じ,適切に対応できるようにすること。また,広く相談に対応すること。
オ 事実関係を迅速かつ正確に確認すること
カ 事実確認ができた場合は,行為者及び被害者に対する措置を適正に行うこと。
キ 再発防止に向けた措置を講ずること(事実確認ができなかった場合も同様)。
ク 相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ,周知すること。
ケ 相談したこと,事実関係の確認に協力したことなどを理由として不利益な取扱を行ってはならない旨を定め,労働者に周知・啓発すること。

小規模の会社等では,なかなか体制整備が難しいかもしれませんが,小規模であればあるほど,セクハラによる影響も大きくなりやすいと思いますので,予防対策について検討することがリスクを回避するためには重要と考えます。